
正直、昔よりスーツを着る機会は減りました。
それでも中年になると、スーツが必要な場面は確実に残ります。
会食、商談、式典。
ここでどうでもいい服を着るのは気分が乗りません。
個人的には、スーツはなるべく試着してから買った方がいいと思っています。
体型との相性が大きいですし、
余裕があるならオーダーという選択肢も悪くありません。
12年前に買ったリングヂャケット。
今振り返ると、これは「贅沢な買い物」ではなく、
あとから迷わなくて済んだ、ベターな選択だったなと思っています。
もちろん、12年も経てばデザインに時代の流れは感じます。
それでも、生地と設計がしっかりしていたから、
「さすがに無理だな」と思わずに済んだ、という感じです。
生地
洗えるスーツは便利です。
私も持っています。
でも、便利だから12年着たかと言われると、
たぶん着ていません。
これは本当に価値観の問題ですが、
スーツ用の伝統的な生地と、
洗濯できる生地は、役割が違うと感じています。
いいスーツを着るのがステータスだとは思いません。
ただ、振り返ってみると、
生地が良いものの方が、結果的に長く着ていました。
中々写真では生地の良さが伝わりづらいのですが、
ロロ・ピアーナの生地です。
ロロ・ピアーナの生地のスーツが10万円くらいで
買えるのは吊るしの魅力です。

デザイン
イタリア系の細めのスーツですが、
12年経った今でも、普通に着ています。
もちろん、日々のローテーションで着ていたら、
物理的にはここまで持たなかったと思います。
着用頻度は決して高くありませんでした。
それでも、12年経って「もう着られない」と
感じることはありません。
理由は流行に寄りすぎていなかったからだと思います。
フォーマルの世界では、
カジュアルほど極端なトレンドの振れ幅はありません。
細めではありますが、許容範囲に収まっています。
パンツに特徴があると思ってまして、
太もも周りは割とタイトなんですが、
あまりテーパードしていないので、フォーマル感が維持されています。
ジャケットの丈もビジネスの範囲で収まっている。
この二つが、結果的に長く着られている理由なんじゃないかと考えています。
次に仕立てるとすれば
ジャケットの丈感は12年の時代の流れを感じる所もあります。
吊るしのスーツですが、当時でも着れるサイズで
一番細いのを選びました。
タイトさがイタリアっぽさではあるものの
今仕立てるとすれば、ゆったりしたサイズ感にしますね。

ジャケットの丈の短さはちょっと時代を感じます。
今仕立てるなら丈も少し長くしますね。

私は身長176cm体重は68kg、普通体系だと思います。
やはり今のモデルはシルエットに大きな変化はなさそうですが、
ジャケットの丈は少し長くなってそうです。
私のスーツはこれでいうと44くらいのサイズ感です。
今なら46か48を選びます。
12年前はなるべくタイトに着たい時代だったんです(笑)
なぜ12年前にリングヂャケットを選んだのか
当時は、イタリアファッションの全盛期でした。
ボリオリやインコテックスが並び、
イタリアブランドを扱うセレクトショップも今よりずっと勢いがありました。
当時の私は30代半ば。
今振り返ると、あの頃のイタリアファッションに
全身で身を包むには、少し若すぎた気もします。
このスーツの一番の役割は、転職用でした。
だから色はネイビー。
どこに行っても問題にならないことが最優先。
そう考えると、ゴリゴリのイタリアブランドは少し違う。
決して嫌いではないけれど、面接には向かないんですよね。
イタリアっぽさは欲しい。
でも、日常でも仕事でも使えるバランスがいい。
当時の自分にとって、そのちょうど真ん中にあったのが
リングヂャケットでした。
アームホールが細いので脇下にスレがあります。
これは懸垂してるからかも知れません。

リングヂャケットがあう人、あわない人
正直なところ、
40代で、ある程度仕事をしていて、
日本で生活していて日本人の体型なら、
リングヂャケットはかなり多くの人にとって
「最適解に近いスーツ」だと思っています。
特別なセンスが必要なわけでもなく、
服に詳しくなくても成立する。
でも、安っぽくも見えない。
12年着てきて感じるのは、
このスーツが「誰かを選ぶ」というより、
日本人の生活や体型、仕事の距離感に
よく合っている、ということでした。
イタリア感が強めのアイテムが好きな人には、
少し地味に感じるかもしれません。
この記事ではシャツはdecollouomoの
シャツと合わせています。
着心地が良くて襟の感じも気に入っています。

まとめ
12年着てきて思うのは、
リングヂャケットは「どこへでも着ていけた」スーツだった、ということです。
日本人の体型をよく分かっている日本のブランドが、
イタリアっぽさをほどよく借りて作っている。
だから主張しすぎず、でも埋もれない。
そういう立ち位置でした。
正直な気持ちとしては、
地味なんですが、ドレープがきれいで、
着るたびに「やっぱり悪くないな」と
ひとりで納得していました。
結果的に、
スーツについて考えなくて済んだ時間が、
いちばんの価値だったのかもしれません。
もし次に仕立てるなら、
サイズ感は、こちらのリンク先の写真くらい、
少しゆとりを持たせます。
次にいつスーツを新調するかは分かりませんが、
12年分、身体も考えも変わりましたからね。
それでは良い中年ライフを!