
AIクローラーは猛烈にWEBサイトにアクセスし情報を取得しています。
インフラエンジニアである私からすると、このアクセスはコストです(笑)
ですが、ブログやサイト運営者はAIに見てもらう事でメリットもあります。
本業でオウンドメディア、個人でもブログを運営している目線からお話したいと思います。
個人ブログではニッチなキーワードを地味に獲得しすこしずつPVが増えてきました。
一方で、本業で運営しているオウンドメディアは、状況がもう少し複雑。
ジャンルによっては明らかにパフォーマンスが落ちていて、
「ああ、これが“AI以後の検索体験”か」と感じる場面が増えました。
そんな中で登場したのが、Cloudflareの「Pay Per Crawl」。
“AIが情報を取りに来るなら、その価値に見合う対価を”
という発想、かなり現実的だし、面白い考えだなと思いました。

- AIの情報源とは?
- AIによってトラフィックが減る構造
- インフラに与える影響
- Cloudflare(クラウドフレア)Pay Per Crawlが可能性を示す
- AI時代のオウンドメディア
- WordPressやはてな、noteの違い
- WordPress等はどうなるか?
- 今後のAI時代におけるWebサイトの役割と生き残り戦略
- FAQ
AIの情報源とは?
AIは主に以下のような情報を学習元としています:
🌐 インターネット上の公開データ
-
ウェブページ(Wikipedia、ニュース記事、ブログ、フォーラムなど)
-
コードリポジトリ(GitHubなど)
-
オープンアクセスの学術論文(arXiv、PubMedなど)
-
公式マニュアルやFAQ(プロダクトのサポートページなど)
特徴:ジャンル横断的で鮮度が高いが、信頼性は玉石混交。
📚 書籍(著作権切れ or 利用許諾済み)
-
古典文学、技術書、教養書など
特徴:文章の質が高く、自然言語生成のスタイルに大きく影響。
これらを組み合わせてAIは回答を生成しています。
AIによってトラフィックが減る構造
代表的なケースとして、米メディア「nypost.com」
がAIクローラーの影響でトラフィックを落としたと報じられました。
ChatGPT、Gemini、Claudeなどの生成系AIは、
独自に情報を学習するために日々WEBをクロールしています。
ただ、クローラーをブロックすればAIに紹介されなくなる。
逆に許可すれば情報だけ持っていかれ、報酬はゼロ。
そのせめぎ合いの中で、どちらも選べず曖昧なままのサイトが多いのが現状です。
インフラに与える影響
AIクローラーは高頻度・高負荷です。
特にAWSのようなトラフィック課金型の環境では、
AIクローラーの通信量もサイト側のコスト負担になります。
国内レンタルサーバーの場合は、ユーザーに課金せず
に会社側が負担しているケースも多く、結果的に事業者側の収益を圧迫しています。
これは中小のホスティング事業者にとっては無視できない問題です。
そもそもAIの登場で元のPVには戻らない
例えば「光回線 おすすめ」というような
メジャーな検索ワード、今はこうなってます。

検索結果の上位からクリックされ、下位になれば
なるほどクリック率は下がります。
今はリスティング(広告)→AIO→検索結果の順に
表示されるので、検索結果が1位だとしてもクリック率は下がります。
ただ、キーワードによっても濃淡もありますし、
「光回線 おすすめ」1位の記事がその他の
キーワードでもトラフィックがある事が普通なので、
一概には言えません、
AIによってSEOの価値観が変わるくらいの
インパクトが出ていると感じています。
AIの広まりによってユーザー行動に明らかに
変化が起こっています。
Cloudflare(クラウドフレア)Pay Per Crawlが可能性を示す
前置きが長くなりました。そこでこの
Cloudflare(クラウドフレア)Pay Per Crawl
の登場です。
AIクローラー(例:OpenAI や Anthropic のGPTBot)
によるサイトアクセスに対し、料金を請求できる機能です。
これにより、従来無償でAIに収集・
利用されていたコンテンツに対して、
コンテンツ所有者が直接収益を得られる仕組です。
要は無料で情報を取るのはやめてね&
サイト運営者が新たな収益源を得られる可能性あります。
AI時代のオウンドメディア
ドメインパワーにモノを言わせていたメディアは
結構苦戦してるところが多いのではないでしょうか。
いままでと同じやり方ではサービスがそもそも
想起されなくなる、AIでより自分にあったサービス
をSEOを経由せずに直接見に行く時代に突入しました。
リスティングも単価が安い商品は相性が余りよく
ありませんが、SEOも割に合わなくなってきているので、
色々と見直しを迫られます。
WordPressやはてな、noteの違い
-
WordPress(+Cloudflare)の場合:Pay Per Crawl導入が現実的
-
note:還元方針あり、今後に期待
-
はてなブログ:対応が遅れ気味だが、クローラー制御は進行中
媒体ごとに対応姿勢に差はありますが、
自分のコンテンツをどこに置くか=AI時代の収益構造をどう考えるか、
という話になってきました。
この動きは広まるか?
様々なサイトがAIの登場でPVを減らしてる
のを目の当たりにしてる私にとって、これが
すぐに収益に繋がるかはイメージ出来ません。
ですが、noteでは早々にAI学習に対する還元を
告知しており、この動きは広まっていく可能性が
高いと思っています。
https://note.com/info/n/n49bbcbdefe1a

はてなブログの対応
要約すると2025年2月6日から2025年6月27日の間
AIクローラーをブロックして、選べるようにしました!
還元しようとしているnoteと比べるとかなり遅れを取った
対応な気がします。
ただAIクローラーの負荷はそこそこありますので、
はてなさんがブロックしていた心中お察しすることは出来ます。

WordPress等はどうなるか?
Cloudflareでドメインを管理してる場合、
やり方によってはnoteやはてなでもCloudflare
を使う事は出来るかも知れませんが、一般的な
方法とは言えないと思います。
なのでAIクローラーの問題はnoteやはてな側の
運営ポリシーに準することになります。
一方でWordpress等、AWS、VPS、レンタルサーバー
で運営しているサイトは自由にCloudflareを
利用することが出来ます。
Pay Per Crawlがリリースされた際には
恐らくWordpress等で問題なく使えるように整備
されていくと思います。
ですので、noteが早々に還元を検討している事を
告知したのはインパクトがありました。
Wordpressではエックスサーバーさんが有名です。
こういった値上げもやむを得ない状況です。
サイトのクオリティ低下はAIにとっても不都合
AIの情報源がWEBサイトである以上、
WEBサイトも存続しなければいけません。
とは言え、WEBサイトの運営が見合わなく
なれば、質のよいWEBサイトまで閉鎖してしまう
可能性があります。
そうなればAIの回答レベルが下がる事になるので、
AIとっても不都合です。
私自身、仕事でオウンドメディアに携わっていますが、
戦略やリソース配分の大幅な変化を実施しています。
今後のAI時代におけるWebサイトの役割と生き残り戦略
AIの台頭によって、「情報を検索して答えを得る」
から「AIが答えを生成する」時代に、ユーザーの行動が変わり始めています。
その中で、Webサイトの価値は「直接読まれること」から
「AIに情報提供し、収益を得る仕組みを持つこと」へと変化して行くかもしれません。
これからのWeb運営者に求められるのは何か?
AIに学習されても損をしないための基盤整備
(=Pay Per Crawlのような対価還元)
AIには生成できない、一次情報や体験ベースのコンテンツの発信
検索以外の導線(SNS、メール、コミュニティなど)
でファンとの接点を持つこと今後、AIがさらに日常に浸透していくなかで
、Webサイトは「読まれるため」だけでなく、「AIに使われる前提で価値を守る存在」へと進化していく必要があります。
SEOという言葉の意味も、「検索エンジン最適化」から「生成AI時代の存在証明」へ──そんな変化が、すでに始まっているのかもしれません。
CloudflareさんはMagic Transitも非常によいサービスです。
インフラエンジニアの仕事を減らしてくれました。
ですので、Cloudflareさんは好きな会社です。
今後はこういった会社がもっと伸びてくるかも知れません。
FAQ
Q1. AIクローラーとは何ですか?
A. AIクローラーとは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIが情報収集のためにWeb上を巡回するロボット(Bot)のことです。文章やコード、FAQなどを学習データとして取り込むために使用されます。
Q2. なぜAIクローラーが問題視されているのですか?
A. AIクローラーはサイトの情報を取得していく一方で、サイト運営者に対価を支払わないという構造が続いていました。また、トラフィックコストの負担やPV減少など、間接的なダメージも生まれています。
Q3. Cloudflare Pay Per Crawlとは何ですか?
A. 「Pay Per Crawl」は、Cloudflareが提供する機能で、AIクローラーによるアクセスに対して課金できる仕組みです。情報を持っていくAI側に対し、Webサイト運営者が対価を求めることが可能になります。
Q4. 自分のサイトでもPay Per Crawlを導入できますか?
A. Cloudflareでドメインを管理している場合や、WordPressなどを独自ドメインで運用している場合は、導入のハードルが比較的低いです。はてなブログやnoteなどのプラットフォーム型では、サービス側の対応に依存します。
Q5. SEOはもう通用しない時代ですか?
A. SEOが「意味を失った」というより、検索体験やユーザー行動の変化に合わせて再定義されつつあるというのが実態です。今後は、AIに使われる前提のコンテンツ設計や、還元設計をどう作るかが新たな戦略になっていきます。
Q6. なぜAIに情報を提供し続けることが問題になるのですか?
A. AIが質の高い情報を学習すること自体は良いことですが、その裏で情報元の運営者が疲弊し、離れてしまうと、AIの回答品質も下がっていくというジレンマがあります。持続可能なWebとの共存には、対価の設計が不可欠です。
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